現役で活躍する作業療法士(OT)が投資で資産構築を目指すブログです。資格をとれば安定した生活ができるという考えはもう古いです。将来不安が予想される中、どうすれば安定した生活を送れるか一緒に探していきましょう!

作業療法士が実習生を指導する難しさ(後編)

どうも~!久しぶりに、作業療法士の研修会に参加しました。参加って言ってもオンライン配信で講演を聴いた感じなんですが…最近忘れていた「リハビリテーションは治療だ」という考えを再認識できて、あの頃の気持ちを呼び起こせた気になっている福井です。

前回に引き続き、指導に関した個人的な考えを共有したいと思います。

ちょっと投資の話とはかけ離れた内容になりますが、作業療法士としての情報発信もしたいので、後輩の作業療法士のためになる記事も書いていこうと思います。

1人の作業療法士を育てる意識よりも、1人の大人を育てる意識が重要かも

前回の最後に「知識を身に付ける方法や必要性を教える」ということを書きましたが、このためにどうするのかを話していきたいと思います。

結論は、サブタイトルに書いたとおりで、指導者側としたらどうしても「1人の作業療法士を育てる」という意識を強く持ってしまい、専門的な知識や技術を教えようとする方もいると思います。それは間違ったことではないですが、その実習生が今後の実習先や働きだしてからも困らないといった人として基礎的な部分を育てることが重要だと個人的には考えています。

ここの部分が変われば、あとは勝手に変わっていきます。「思考が変われば行動が変わる」です。

「基礎的な部分」とは、色々とありますが今回は「対人技能」に着目して個人的な考えを共有したいと思います。

作業療法士の仕事をすると「人」と必ず接します。患者さんをはじめ、理学療法士や言語聴覚士と関わりますし、医師や看護師など他部署の医療職ともコミュニケーションをとる必要があります。

そうなると、自分自身が持っている対人技能がモロに影響してきます。作業療法士1人では患者さんを良くすることが出来ません。必ず、一緒に担当している理学療法士や言語聴覚士と方向性を確認しあったり、医師や看護師に状況を報告する場面もあります。なんなら、家族に説明する場面もあります。

対人技能が良ければ、良い情報が得られたり、教えてもらいやすいなど良い方向にいきやすいですが、逆に悪ければ、どんどん悪い方向にいきます。これは、作業療法士に限らず、社会人であれば最低限求められる部分ってのはあると思います。

僕自身もそこまで対人技能に自信を持っているわけではありませんが、僕の目から見ても、実習生のなかには、対人技能が不十分だなと思ってしまう実習生が過去にいました。「話してかけているのに目が合わない」「ゴニョゴニョ言ってて聴き取れない」「喜怒哀楽が見られず、反応が乏しい」などなど…

そういう実習生の場合、専門的な知識を知らないという問題よりも対人技能に関する問題の方が大きいと思います。たとえ、しっかりと専門的な知識を覚えていたとしても、「人」と関わる仕事なので、対人技能が不十分な事は仕事に悪影響が出ると思います。

なので、僕の場合は、対人技能に関した指導から進めていきます。知識・技術などは、あとからでも身に付けられますし、前述したように知識を身につけるための方法を教えるだけなので、そこまで時間はかかりません。ですが、対人技能が不十分だと損することも多くなると思いますし、周りの反応にも関わってきます。

指導するときに注意したいポイント

対人技能を指導するってなると「挨拶しろ」「もっと声をだせ」「ハキハキしろ」とか言うかもしれませんが、ただ言うだけでは何の変化もないと思います。

僕もそうですが、「何を言われたのか」が重要ではなくて「誰に言われたのか」が重要だということです。

正論を言われただけでは人の考えは変わりません。自分が尊敬する人から正論を言われて、初めて考えが変わるきっかけが生まれます。あくまでキッカケに過ぎません。変わるかどうかはその人が選ぶことなので。つまり、指導者は実習生にとって一目置かれる存在になる必要があると思っています。

じゃあ、そうなるために、どうするかというと「実習生の話を聴いてあげること」が必要になると思います。

よくあるのは、指導者が一方的に喋って実習生は頷くだけという構図。僕も最初のころはやってしまっていました…直そうと思うとどうしてもたくさん喋ってしまうんですよね…

人が心を開くときってどんな時だと思いますか?自分のことを相手に知ってもらえた時だと思います。そう考えると実習生の話を聴くことをすることで、心を開きやすくなり、結果的に指導者の声が実習生に届くという感じです。

ここの部分をクリアにすることで、実習生はドンドン変わっていきます(※個人的な感想であり、保証するわけではありません)。

さらに、実習生の話を聴いていくことで、なぜ出来ていないのかの原因が分かったりすることもあります。幼少期にあった出来事や学生時代にしてきた経験、家庭環境など、人は様々な経験を通して、1人の人間が成り立っています。そう考えると、出来なかった理由も分かって指導者も腑に落ちることもあったりします。

前述してきた内容というのは、僕が実習生を指導するってなったときに、色々な本を見たりして得た知識だったりします。前回の記事でも書きましたが、本当は学生時代に「教育学」みないな学問を少しでも学んでおけば、よりよい指導が出来たのかなと思ってます。

個人的な考えですので、最終的な判断は自己判断と自己責任でお願いします。皆さんの考えるきっかけになれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!